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お釈迦様でも…

 子供のころから聴き慣れたフレーズっていろいろ

ありますが、意味もわからずに口ずさんでいたことが多いモノ。

時として物凄い勘違いのまま大人になっていて、ふとした

ところで恥をかいた・・・

という経験は、多くの方がお持ちでは?

 先日、国立演芸場の中席(なかせき;ひと月を三つに分けて

その真ん中の10日間)恒例の「鹿芝居(“はなしか”の芝居と

いう意味から)」を観に(聴きに)行きました。

もともと落語は歌舞伎から題材を取っているものも多く

(「芝居噺」とも)この中席を預かる座長の金原亭馬生

(きんげんてい ばしょう)さんの一門には、当代きっての

歌舞伎通;林家正雀(はやしや しょうじゃく)さんを始め

とする芸達者が多く、チームワークも素晴らしいことから、

毎年の恒例行事にもなっているのです。❣️

 ご縁があって何度か観ていますが、今年の演目は

『与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)』

「御新造(ごしんぞ)さんえ、女将さんえ、お富さんえ・・・・

いやさお富ぃ!久しぶりだなぁ」

「そういうお前は・・・・?」

「与三郎だ!ぬしゃあオレを、見忘れたかぁ」

・・・「しがねえ恋の情けが仇・・・・」

 ま、時代的なモンですからね、このブログをご覧になる方の

中では、ご存知の方のほうが少ないかも、ですが😅

 普通は歌舞伎でも、この「源氏店(げんじだな・・・

オリジナルの地名は“玄治店(げんやだな)”)」の場だけを

ピックアップして演じることが多く、そもそもどうして

そういう成り行きになったのかは不明でしたが、今回の

中席では、まず正雀さんが馴れ初めを語り、引き継いで

馬生さんが二人が引き裂かれた事情を語って、しかる後に

この有名な場面をお芝居で演じたので、観客はみんな急に

「お富与三郎通(つう)」になりました。😉👌

 これに題材を取った春日八郎のナンバー;

🎵粋な黒塀 見越しの松に 婀娜(あだ)な姿の洗い髪

死んだはずだよお富さん 生きていたとはお釈迦様でも

知らぬ仏のお富さん🎵

 ・・・この冒頭の歌詞を

「黒兵衛」って人だと思っている人が続出(昔の話ですよ。)

さらには「神輿の材料になる松を植えているのかな?」とか、

子供には疑問だらけの歌詞なんですけど、調子のいい歌

なもので、口ずさんでいるうちに覚えてしまいます。

で、後日トンデモナイ恥をかいたりするワケ。

ま、大勢に影響はありませんけどね。

 ちなみに現代語に訳しますと

「シャレた黒板塀の風情のある一軒家、庭の松越しに

垣間見ると、ちょうど湯屋帰りで洗って束ねた髪の

たいそう色っぽい年増が、鏡を覗いて化粧をしているところ😍

やや⁉️あれは元カノのお富じゃないか❗️

木更津の海に一緒に飛び込んで死んだと思っていたのに、

こんなところで優雅な囲われ者になっているなんて、

こりゃあお釈迦様でもご存知なかったことだろうよ。

(チキショー このままで済ますもんか😡)」

・・・背景やら登場人物の心情やらを織り込まないと

見えてこないので、英語のスタンダードよりよほど

訳し甲斐があります。ん

 ちなみにこの日(14日昼)は正雀さん演じるお富さんが、

帰って来た現在の旦那を迎えるところで

「まあ旦那様、お早いお帰りで」と言うと、

金原亭世之介(よのすけ)さん演じる旦那が

「うむ、思いのほか男子フィギュアが早く終わった」などと

おもむろに答え、客席は大いに沸きました👏👏🤣

本歌舞伎でもアドリブは腕の見せ所ですが、噺家さんたち

の方は、日頃鍛えたこういうシャレ(地口)のほうが

エスカレートしてしまい、本当のセリフがどこかに行って

しまうことも。 世之介さんブログ

いや~~、落語やお芝居は本当に楽しいですねえ。🥰