Old Blog Library 2022年11月15日
レパートリー
駆け出しの頃に、ある先輩(管楽器で歌も歌う方)が
「歌える曲なんて何曲かありゃいいんだよ」とおっしゃって
いたことがありました。
名の売れている名人であれば、その人が歌う時には
「待ってました!いつものアレ、頼むよ~~」なんて声も
かかり、実際、毎回同じ曲だとしても、その場にいる
お客様方は、十分に満足してお帰りになります。
それこそが、現場のプロの仕事だし、一般の方の
良く知らない曲を無理に聴かせるのは間違っている、とも
言えるわけで、その頃活躍していた中堅の先輩方でも、
常時50~100曲も歌えれば、立派なジャズ・シンガー
だと思われました。
また、ファンの前で繰り返し同じ曲を歌うことで、
その人のその曲には得も言われぬ味が加味されて、
しまいには本当にその人のために書かれた曲のような
気もしてくるくらいでした(*^_^*)
後年になって、ものすごくいろんな曲をやりたく
なったのは、ハッキリ言ってスタンダード・ナンバーに
魅せられた私の個人的な志向であって、後輩や生徒さんに
お勧めはしませんし、レパートリーが多いからより良い
歌手だということにはなりません。
「その人の歌うこの曲が聴きたい」と思われること、
目標はそこに尽きます。
ただ、現場での選曲の際には
「では今日は深まる秋の歌で」とか
「秋と言えばやはり月、でしょう!」などと
その時その時の情趣を盛り込んで会話も含めて
楽しめるように、と思うので、オーディエンスとしては、
知ってる曲ならうれしいし、知らなくても
「ほうほう、なるほど。今宵の雰囲気に合ってる」などと、
その場を楽しんで聴き流していただければ良いかな、
と思っています🍂🌙