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銀座っ子の回想

 “おばあちゃん役者”として有名な北林谷栄さんの

インタビュー記事(1989:岩波書店「世界」)より;

 「大正初期の銀座はとうてい今の銀座からは考えられない

ような異国情緒と下町情緒の濃い特別の街でした。

まず、歩道は全部赤いレンガを敷いたプロムナードです。

銀座八町間は。それが雨で濡れるとそのレンガは眼のさめる

ような代しゃ色(たいしゃいろ)に変わります。そして

そのレンガとレンガのあいだ、三,四メートルおきぐらいに

四角にくりぬかれていて、そこにふさふさとして柳の街路樹が

植わっていました。夏はそこをツバメがかすめて飛んで、

散水車が通ります。・・・・その車道にはチンチン電車の

線路が通ってました。緑色の電車でした。木下杢太郎さんの

世界とでもいうか、江戸とハイカラが一緒になったような

のが、昔の銀座の街なのです。・・」

 

 馬生さんの銀座談義に触発されて、さらに二世代くらい上の

銀座の記事を見て、ちょっとお伝えしたくなりました。

 今夜は嵐の歌ではなく、銀座の赤レンガを染めるしとしと雨の

歌を選んでみましょうか。