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小唄と大歌(造語です)

“How Long Has This Been Going On”

(女)

バザーのお手伝いで男の人たちと握手会なんかして

5ドルか10ドルずつ集めたりしたけど
そんなのチャリティーのボランティアですもん 
誰にも本気じゃないし、意味なんかないわ
本当に夢心地にさせてくれる人はね・・・・

(男)

こんな涙を流すことができるなんて・・・
永い永い年月 どこでどうして生きていたんだろう?
背筋がゾクゾクするような こんな気分になるなんて
ほんとうに 今が初めての経験だよ

一度は追放された天国に入り込んで 
溶けてしまいそうな気がする
コロンブスが新大陸を発見した時  
どんな気持ちがしたか、わかるような気がするよ

キスしておくれ もう一度
今までなんて間抜けだったんだろう
スゴイや なんてステキなんだ!
知らないうちにこんな気分になっているなんて!

(女)

あなたの腕の中で 運命を感じているの
夢なら覚めないで 本当だと信じていさせて

キスして もう一度 二度でも三度でも四度でも!
本当になんてこと!
いつの間にかこんな気分になるなんて、ね?


 今まで歌っていなかったけれど、そしてつかみどころが

ないんだけれどなんとなく気になる、どうも忘れかねている、

そういう曲でした。1927年にガーシュウィン兄弟が

舞台のために作ったときには不評で外されたそうです。


1957年にその舞台の焼き直し(ストーリーは別物)的に、「Funny Face」の映画で使われていて、オードリー・

ヘプバーンの劇中歌をYouTubeで聴きました。
これまたプレミア試写会ではカットされていたそうで。

でもねえ、私の感覚では、「小歌」としてはとてもいい感じなのです。どんな立派な歌手が「大歌」的に歌っても、

これ以上の作品になるとは思えない、というか、そもそも

こういう風に歌われるべき歌として作られたんじゃないかと

いう感じがする。
むろん、この歌は小歌的にも大歌的にもできますが。

 もともとの舞台「Funny Face」はそのその30年前に

フレッド・アステアと姉のコンビでそれなりのヒットは

したようなのですが、スクリーン・テストの段になると、

アステアの評価は低くてその時の映画化とはならなかった

らしい。

 30年たって、ヘプバーン27歳、アステア57歳の時に

「パリの恋人」として大ブレイクしたわけですが、非常な

艱難辛苦を経ている作品の中の、非常に渋くて一般受けは

しない、それなのにスタンダードとして演奏家にはかなり

愛されている、変わった曲ともいえましょう。


それからそれへと検索して行ってアステアの歌をいくつも

聴くと
「ああ、歌ってこれでいいんだよなあ」としみじみ思うのです。
日本人好み、渋好みと言われるでしょうが、少なくとも

小さなスペースで音響機材をほとんど使わずに聴こえる

範囲だけで楽しめる=お座敷芸的なものを私は好んで

いるので、行きつく先、というか行き着きたい先は、

やはり無駄がなくてそれがシャレている、というものに

なるようです。

 大きな舞台で大向こうを唸らせるパフォーマンスも

素晴らしいとは思いますがそれはそれ、日々その中に

いたい「非日常」の世界というのは、やるにも聴くにも

すご~く体力を必要とするものはご免こうむりたいです。😜